食べる量は減らしたくないし、油っこいものも我慢したくない。だけど、腹回りの肉は気になる──そんなA氏(59)は、「先にサラダを食べる」健康法を始めた。最初に野菜を食べることで食物繊維が糖や油の吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぐ。
野菜をよく噛むことで満腹感が生じ、食べる量も自然と減っていくという手軽なダイエット法だが、「賢い食べ方とはいえません」と指摘するのは『体を悪くする やってはいけない食べ方』の著書がある管理栄養士の望月理恵子氏だ。
「ダイエットという面では的外れではありません。しかし、栄養摂取の観点からすると疑問です。空腹時に野菜を摂っても、水溶性のビタミンCやB群がすぐ体外に排出されてしまい、ビタミン不足に陥るリスクがある。野菜の栄養素を取り込むには、胃に食べ物が入っているほうが効率がいい」
健康になるはずの“食べ方”が、逆効果だったというケースは意外に多いのだ。
※週刊ポスト2018年2月9日号