昨年、19年ぶりに誕生した日本人横綱・稀勢の里によって、相撲ブームが到来。相撲観戦を趣味とする女性を指す“スー女”という流行語まで生まれたが、昨今の不祥事続きで世間からの厳しい目も。しかしそんな逆風をうっちゃるように救世主が誕生した。昭和の名横綱・大鵬を祖父に、史上初の幕尻優勝を成し遂げた元関脇・貴闘力を父に持つ、角界のサラブレッド・納谷(17才)がデビューを果たしたのだ。
いつの世にも、相撲界にはライバル関係が存在して切磋琢磨してきた。祖父・大鵬は、柏戸という強大なライバルとともに“柏鵬時代”と呼ばれる二強時代を築いた。早くも納谷にも強力なライバルが登場した。同期デビューした、朝青龍の甥の豊昇龍(18才)だ。
早速、2人は初場所の前相撲で激突し、見事納谷が勝利を収めている。『知られざる大鵬』の著者で“スー女”でもある佐藤祥子さんが言う。
「この一戦は、前相撲のレベルではない質の高い大相撲でした。迫力、見応え充分で、納谷の見事なすくい投げが決まった瞬間、場内から大きなどよめきが起こったほどでした。相撲界に、新しい時代の風が吹いてきている」
昭和と平成の大横綱のDNAを引く2人の若い力士。今後、何度も熱く激しい戦いを繰り広げ、ファンを沸かせてくれるに違いない。
日馬富士暴行事件や行司セクハラ問題、大砂嵐の追突事故などの不祥事、醜聞が相次ぐ相撲界。しかし、新たなスターの卵の出現が、角界に差す一筋の光となっている。
※女性セブン2018年2月8日号