ロシアW杯まであと半年を切るなか、日本サッカー協会が人事で揺れている。田嶋幸三・現会長の再選が無投票で決まったものの、副会長の岡田武史氏が3月末の任期満了をもって退任する意向を示したのだ。サッカー協会関係者がいう。
「田嶋政権が続く以上、本来なら退く理由はない。しかし岡田氏は“1期(2年)のみという約束”“オーナーを務める四国リーグのFC今治が忙しい”と続投を固辞したようだ。協会内では田嶋会長との不和も噂されているが、一番の理由は“現場に戻りたい”ということ。まずはJ3昇格を逃した自分のチームを立て直したいと考えているようだ」
ただ、一方で“代表監督再登板への布石では”という見方もある。折しもハリルホジッチ監督率いる日本代表は、昨年末の東アジア選手権で韓国に1-4の大敗するなど不振を極め、監督更迭論が噴出している。
オシム監督が脳梗塞に倒れた後、“代打”として代表監督に再登板し、2010年の南アW杯で見事決勝トーナメントに駒を進めた岡田氏の“再々登板”の待望論は根強い。
「3月の欧州遠征の結果次第ではハリル監督の電撃解任もある。その時は海外からの監督選びは間に合わないだろう。日本人選手の特性をよく知り、短期間でチームを立て直せる岡田氏は最有力候補だ」(同前)
メキシコ五輪の得点王で、日本サッカー協会・元副会長の釜本邦茂氏は「さすがにロシアW杯前ということはないだろうが……」と前置きしつつも“岡田待望論”を語った。
「高い年俸を払って外国人監督を招聘し、ありがたがっている時代はもう終わった。日本が強豪国を目指すなら、日本人監督を真剣に検討すべきです。その筋道をつけられる適任者は岡田武史しかいないでしょう」
まさかの再々登板はありうるか。
※週刊ポスト2018年2月9日号