2月1日、12球団は一斉にキャンプインを迎える。スポーツ紙記者も野球ファンも選手を追いかけて動く時期だが、そこには人しれない苦労もある。清宮幸太郎(18)の所属する日本ハムは、2016年から米アリゾナ州でキャンプを行なう。どうやらその理由は温暖な気候だけではないようだ。
「景気の良かった1980年代は多くの球団が海外でキャンプを張ったが、現在は12球団唯一。2016年にアリゾナに移った表向きの理由は従来のキャンプ地だった沖縄・名護の球場の老朽化でしたが、本当は大谷翔平(23)をMLB関係者にお披露目するためだったといわれる。カネがかかる海外取材は各紙とも縮小傾向なので、結果的に清宮は取材殺到を回避できるわけですね」(スポーツ紙デスク)
清宮とならぶ今年のキャンプシーズンの話題が、“5分間入団テスト”を経て中日入団を決めた松坂大輔(37)だ。一軍キャンプ参加が内定したが、ファンにとっては痛し痒しらしい。『プロ野球12球団春季キャンプの歩き方2018』(芸文社刊)などの著書があるスポーツジャーナリスト・広尾晃氏がいう。
「中日は落合博満・元監督の“オレ流カラー”が抜けないのか、他球団よりファンサービスが少ない。一軍は練習重視で、12球団で唯一ブルペンを見ることができません。ただし二軍グラウンドはオープンで、選手と観客の距離が近い。ファン対策で一軍になったともいわれる松坂だが、二軍スタートだったら近くで見られたのに……」
中日は松坂フィーバーにあやかり「“99番グッズ”を突貫作業で量産中」(前出・スポーツ紙デスク)だとか。グッズ売り上げのためには、二軍スタートのほうがよかったのでは?
※週刊ポスト2018年2月9日号