高齢になって動物を飼い始めた場合、飼い主が認知症になったら面倒を見られなくなる問題が起きてくる。そうなった場合、どうしても困ったときにはあきらめずに相談をすることが大事だ。高齢者介護とペット分野両方のプロ、倉田美幸さんはこう語る。
「高齢者がペットを飼い続けるためにも、助けを求められる相談先、さらにどうしても飼えなくなった場合の新しい飼い主探しの方法を、早い段階から探しておくことは大切です。いくつか紹介しましょう。
●動物愛護推進員
動物愛護と適切な飼育の普及や啓発を行う地域ボランティアで、各都道府県や保健所で紹介してくれます。飼い方やしつけ方の相談から動物の保護、新しい飼い主探しについても相談できます。
●保健所・動物愛護相談センター
ペットに関する相談や、里親探しも相談できるボランティア団体などを紹介してくれます。
迷子や捨てられた動物、飼えなくなって持ち込まれるペットの収容も行っていますが、一定期間、新しい飼い主が決まらない場合、殺処分になる場合もあります。
そのほか、各自治体の窓口(環境保健衛生課など、自治体により名称は異なる)があり、登録や鑑札・注射済票の交付のほか、ペットの相談会などを開催しているところも。
動物病院・獣医、ペットショップ、トリミングサロン、ペットシッター、トレーナーなどにも、地域の動物愛護団体やボランティアの情報が集まるので相談やチェックを。
またSNSなどのペットに関するグループで、いろいろな立場の人の情報や意見を聞いておくのもいいですね」(倉田さん・以下「」内同)
また最近、初の業界団体が設立されたことで話題の老犬ホームや老猫ホーム。いわば老犬・老猫のための介護施設だ。もちろん有償だが、ペットが亡くなるまで世話をしてくれるという。認知症などで要介護になるペットも増え、飼い主とペットの“老老介護”が問題になっている今、これも選択肢の1つだ。
「いずれにしても、ペットの行く末まで責任を持って見守ってほしい。飼い主が高齢者なら、ぜひ家族や地域が深くかかわって支援してあげてください」
※女性セブン2018年2月8日号