2月1日、12球団は一斉にキャンプインを迎える。スポーツ紙記者は、選手の一挙手一投足を観察してネタを取ろうと躍起になっている。いきおい、“俺の記事が一番ハデだ!”とばかりに番記者立ちは大風呂敷合戦になりがちだ。
例えば“5分間入団テスト”を経て中日入団を決めた松坂大輔(37)の記事。松坂といえば、例年この時期はスポーツ紙に「絶好調」「完全復活」などと景気のいい見出しが躍り、ファンは何度も騙されてきた。
〈キレッキレ松坂〉(2017年2月2日、日刊スポーツ)
〈完全復活へ前進! 松坂「いい感じ」〉(2016年2月2日、サンケイスポーツ)
──といった具合だ。こうした記事はネタに窮した番記者たちの常套手段だ。元デイリースポーツ編集局長で、ジャーナリストの平井隆司氏がいう。
「キャンプの時期は、全球団が『優勝候補』と言ってもいい唯一の時期。昔から、現地の記者には“他紙より派手な景気のいい話を持ってこい”と命令していた」
今年は巨人の二軍キャンプから「景気のいいニュース」が量産されそうだ。
「内海哲也(35)、山口鉄也(34)、亀井善行(35)らの生え抜き組のベテラン、昨年FAで鳴り物入りで加入した森福允彦(31)まで二軍スタート。“一軍よりビッグネーム揃い”と揶揄されるメンツです。その上、昨年まで三軍監督を務めた川相昌弘・二軍監督が、三軍キャンプで実践していた早朝の3キロ散歩を二軍に導入し、ベテランにも強制するという。カメラマンは悲鳴を上げるかもしれませんが、ベテランたちが苦悶の表情で走る姿は、いい画になるはず」(巨人担当記者)
※週刊ポスト2018年2月9日号