2月1日、12球団は一斉にキャンプインを迎える。各球団が様々な手法でキャンプを盛り上げるのは、巨額のキャンプ費を回収する目的が大きい。元阪神球団社長の野崎勝義氏が明かす。
「キャンプにかかる費用は1億5000万円を超えます。各球団がキャンプに送り込む選手、スタッフは総勢150人ほどで、彼らの交通費に約1か月の宿泊費、食事代、クリーニング代などがバカにならない。さらにグラウンド整備、観客整理の人件費、ボールなどの用具代に加え、報道陣やゲストに支給するハットやウインドブレーカーなども経費がかさみます。キャンプをしっかりやらないとシーズンでいい成績が残せないため、赤字になったとしても他球団に劣らないキャンプをやるしかない」
少しでも赤字を埋めるために各球団が売り出すのが、「キャンプ限定グッズ」だ。清宮幸太郎、松坂大輔など人気者のグッズをいち早く作成するのにはそんな裏事情もある。キャンプを訪れる大御所OBの存在にも選手や球団は頭を抱えているという。
「大先輩がアドバイスにやってきたら、練習を中断して挨拶にいくのは当然、たとえ的を射ていない昔風の指導でも選手は直立不動で聞かないとならない。“この時間、ムダ”と思ってる選手は多いでしょう。
球団もOBには気を遣う。ユニフォームやウインドブレーカーなども用立てなければいけないし、滞在時の食事、宿泊費も球団持ちの場合が多い。これをケチるとたちまち“チームの功労者をないがしろにしおって!”と文句が出る。気が重くなりますね」(ある球団関係者)
裏事情を知れば、いよいよ始まる野球シーズンの楽しみがさらに増える。
※週刊ポスト2018年2月9日号