“都会の限界集落”の代名詞とされているのが郊外の団地だ。『限界集落の真実』(ちくま新書)の著者で、首都大学東京都市教養学部准教授の山下祐介さんが説明する。
「郊外の団地も限界集落です。子育てをしても、子供が巣立てば高齢者だけが取り残される。敷地も限られているので2世帯住宅にもできず、コミュニティも希薄で高齢者が孤立化しやすい状況です」
その一方で、全く新しい形で生まれ変わった団地もある。例えば、神奈川県座間市にあるホシノタニ団地。
もともと小田急電鉄の社宅だった建物を2013年にまるごとリノベーションした。形はどこにでもある箱型の団地だが、その側面は濃い茶色をベースに1棟ごとに赤や緑、ブルーのバイカラーで彩られている。そこに四季折々の星座が描かれ、『HOSHI NO TANI DANCHI』とアルファベットの文字が並ぶ。
1階の部屋にはウッドデッキがあったり、部屋の表札や集合ポストがモダンなデザインだったりと、団地にもかかわらずまるでデザイナーズマンションのような雰囲気。カフェやドッグランまで併設されている。住民の30代女性が言う。
「引っ越しを考えていたときにネットでここのことを知って、来てみたら駅が目の前だし、団地って昭和なイメージだったけれどすごくおしゃれだし、即決しました。内装も水回りもリフォームされていて住み心地は抜群です」
雑貨ブランド『無印良品』もUR賃貸住宅と連携して団地の内装リノベーションを手がけている。白を基調としたシンプルな家具が配置される部屋は、伸びやかで明るい雰囲気。家賃も6万円台からと手が届きやすく募集が出るとすぐに埋まってしまう人気物件なのだそう。
※女性セブン2018年2月15日号