元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛の3人からなる「新しい地図」が1月30日(火)23時に突然、AbemaTVで香取の誕生日を祝う番組を放送した。翌31日(水)0時15分に終わったその番組では、4月から3人による新レギュラー番組『新しい別の窓』(毎月第1日曜日 午後5時から7.2時間生放送)が始まることが告知された。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、単なる告知では終わらない彼らの番組の見所をつづる。
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インターネットテレビ局AbemaTVと元SMAPの3人「新しい地図」は蜜月の関係。
2017年11月2日から5日までの72時間連続で配信された『稲垣・草なぎ・香取慎吾3人でインターネットはじめます72時間ホンネテレビ』。
続けて、2018年元旦には『27Hunホンノちょっとテレビ』が生放送された。番組の終盤、草なぎが「1月31日、慎吾の誕生日じゃん。また、やろうよ!」と提案。AbemaTVのフットワークは軽い。
その要望は現実となり、1月30日夜11時から72分の特番『72Hunもうちょっとテレビ~香取慎吾バースデー~特番~』が生放送された。
番組が始まり、まず驚いた。企画立案者の草なぎがいないのである。元旦の番組で「丁度、俺その時、韓国で仕事かも」と漏らしていたが、まさか予告通りになるとは!
草なぎと香取が親友であることは、濃いファンでなくとも知っている。稲垣と香取の関係性は、薄いファンの僕は知らない。2人が映る画面は新鮮で、このペアがどんなことをするのか期待は高まる。
72分後、番組は終わった。僕は思った「なんかグズグズだったなぁ……」と。
“なぜ香取慎吾バースデー特番がグズグズだったか”順を追って、説明させていただきたい。
最初に行ったコーナーは、ファンが描いた香取の似顔絵を見るといった内容。ここで最初のグズグズポイント。機材トラブルで画面に似顔絵が表示されない。2人が「カワイイね」と感想を語り合う似顔絵は、視聴者は見られない。
トラブルはまだ続く。コーナーは移り、草なぎに電話をかけることに。電話に出た草なぎの言動がおかしい、すっかり飲酒をしており、かなりいい気分。稲垣、香取の応答を全て韓国語で回答する。草なぎと飲酒の相性の悪さは、誰もが知っているところで。稲垣「僕じゃ手に負えない」と苦笑い、香取は「日本語で話せ」と少しマジな口調で叱り出す始末。
SMAP時代だったらありえない、スキだらけの放送…。
怒られた草なぎは、少々シラフに。しかし、聞きづらいのは草なぎの声。iPhoneにスピーカーが接続されおらず、音がとても小さい。それが放送に耐える音質ではなく、音がバキバキに割れている。3人に罪はないが、制作のおざなりさが如実にでていた。
これが生の面白さ! と表する人もいるだろう。そんな方にこれだけは言いたい「コレ、稲垣、草なぎ、香取の番組だよ!」と。
過去、彼らが出演していた番組はスタッフも超一流。常に、ピカピカに磨かれていたではないか!巧みな演出、エンタメを凝縮した一部のスキもないTVショー。その演出を知っているからこそ、『72Hunもうちょっとテレビ ?香取慎吾バースデー特番?』に出演する3人が不憫でならない。ミスの連続、グズグズな展開、イライラする彼らの心情。もう、容易に想像できちゃう。
「昔はこんなことありえない!」と。
香取41歳の誕生日にかけた4.1mのケーキ、2人からのプレゼント、41枚の焼肉早食い、続々と繰り広げられるコーナー。しかし、全ての作りが空虚。言うなれば、既存のバラエティの劣化版。
「コーナー考えました。ハイ! あとは2人で盛り上げてね」とスタッフ。それに一生懸命応える稲垣、香取という構図。”番組の面白さ”が2人に依存しすぎている。
要するに、完璧に演出されたエンターテイメント『SMAP×SMAP』を知っているだけに侘しいんだ。