「医師の処方だから」と安心して飲んでいた薬が、実はあなたの身体を蝕んでいるとしたら──。名医が医療界の「不都合な真実」を明かす。
「糖尿病治療で広く処方されているのは、アマリール、オイグルコンといったSU剤ですが、高齢者は特に服用に気をつけていただきたい」
そう警鐘を鳴らすのは、糖尿病専門の『にしだわたる糖尿病内科』院長・西田亙医師だ。
「SU剤は、血糖値を下げる効果が大きい反面、低血糖を引き起こす副作用も併せ持っています。低血糖はひどくなると昏睡状態に至り、そのまま放置すると最悪、不整脈を起こして死に至ることもある。高齢者が低血糖を起こして救急車で病院に搬送されたケースでは、医師から処方されたSU剤が原因で発症したケースが少なくありません」
では、なぜそのような薬を、日本の医師の多くがいまだ使い続けているのか。「医師も患者も、“血糖値の高さ”ばかり気にする傾向があるからです。血糖値が下がり過ぎるリスクも考えなければなりません」と、西田医師は指摘する。
「私が処方する薬は『SGLT2阻害薬』が多い。約4年前に出た新薬ですが、インスリン分泌には作用しないので血糖値が下がり過ぎず、余分な糖分だけを排出する効能があります」
SU剤を処方された場合は、医師に効果や副作用の説明を求め、不安な点があればSGLT2阻害薬などへの変更を求めるといいという。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号