今季W杯未勝利のまま平昌五輪本番を迎えることになったスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21)。試合後も今季は表情を曇らせることが多かった。ただ、どうにも気になるのは、国際大会なのに、「おでこ」に大きく表示された“カタカナ”だ。
〈バスクリン〉──。競技中のヘルメットも、試合後にかぶるニット帽も高梨の額の部分に大きく、入浴剤「バスクリン」のロゴがある。
「プロ宣言した高梨は、スポーツ用品メーカーはもちろんのこと、化粧品会社まで幅広くスポンサー契約を結んでいます。ウィンタースポーツの選手はメディア露出の機会も限られるのでさほど大きな契約にはならないが、高梨は数少ない例外。CM出演料は1本約1000万円といわれています。
競技中の額の部分という“絶好の位置”を確保しているのが『バスクリン』ですが、スポンサー料はCMギャラから考えて数百万円ほどでしょう。試合後インタビューのたびに各局のスポーツニュースで必ず写り込むから、効果は抜群です」(広告代理店関係者)
ファンとしては昨季までに比べると、物足りない成績が続いているが、「彼女が凄いのは『負けてもニュースになる』ところ。W杯通算53勝という輝かしい経歴があるからでしょう」(同前)といい、今季も高い宣伝効果は続いているよう。バスクリン広報部の担当者は淡々とこう答える。
「複数のスキー・ジャンプの選手と契約しており、スポンサー料はまとめてスキー連盟に支払っています。金額は非公表です。高梨さんの額のロゴは目立つ場所にあるので宣伝効果は高いと思いますが、契約料を通して選手の支援をしたいという考えなので、当社の製品が売れるかはあまり考えていません。五輪では規定上、ロゴは外れることになりますが、よい成績を収めてほしい」
入浴中の発汗効果で知られるバスクリンだが、2月12日の五輪本番で高梨が大ジャンプを飛ぶかに“冷や汗”をかくわけではなさそうだ。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号