テレビ朝日が1月、『プロ野球総選挙』という番組を放送したが、その結果は、投手部門の1位が今春、MLB・エンゼルスへの入団が決まった大谷翔平。打者部門の1位がイチロー。これに対して、往年のファンから異論が続出している。
長年にわたって野球を観戦してきた、ファンの熱い思いをすくい取らなければならない。そう考えた本誌・週刊ポストは、1000人を対象に愛読者アンケートや読者への聞き込み調査を実施。その結果、選ばれたのは、テレビ番組とはまったく違ったメンバーだった。投手部門の1位は誰か。
1位は、ご存じ「カネやん」こと金田正一(242票)。プロ野球史上唯一の400勝投手だけに、「14年連続20勝なんて、ありえない数字」(69・元メーカー)とファンも納得の様子だ。本人に結果を伝えると、開口一番「当たり前だろうが!」と言いつつ得意満面。
「400勝とかではなく、技術、考え方、鍛え方、体のケアと、何をとってもワシの右に出るヤツはおらん。少しでもバッターの近くで投げるために、上体ではなく下半身で投げていた。
長嶋(茂雄)が“打とうとしたらボールが消えた”と言っていたが、ボールが下から浮き上がってくるんだから、打てっこないよ。鉄腕だかなんだか知らないが、稲尾(和久)なんかと比べちゃいけません。大谷? テレビはシャレでやってるんだから真に受けちゃいかんよ」
とはいえ、2位の稲尾(元西鉄・98票)が残した印象も鮮烈だ。1958年に巨人と対戦した日本シリーズでは7試合中6試合に登板。6、7戦は連投でいずれも完投勝利をあげ、3連敗の後の4連勝という逆転劇を果たした。82歳の往年のファンが言う。