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睡眠薬に指摘される危険性 譫妄症状の副作用あるものも

危険性が指摘されている処方薬も

 認知症を患ったことで不眠症に陥るケースは多く、認知症患者で睡眠薬を処方されている人は少なくない。しかし、日本で認知症患者に広く処方されている睡眠薬のなかには、危険性が指摘されているものもある。在宅認知症ケアを行なっている『たかせクリニック』理事長の高瀬義昌医師はこう話す。

「デパスやハルシオンといったベンゾジアゼピン系睡眠薬は注意が必要です。同薬は依存性が高いうえ、看過できない副作用もある。服用を続けると、筋力低下作用のほか、軽度の意識混濁(錯覚や幻覚など)を指す“譫妄(せんもう)症状”などの副作用があります。夜にトイレへ行こうとした高齢者が、これらの症状によりベッドや階段から転げ落ち、大腿骨を骨折して寝たきりになってしまったケースもあります」

 厚労省も2015年策定の『かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン』で、〈従来よりベンゾジアゼピン系睡眠薬は広く使われてきたが、高齢者に対して睡眠薬の安易な導入は避けるべきである〉と注意を促している。

「それでもいまだに広く使われているのは、同薬は効果が見込めるため使いやすいからです。副作用のリスクに目を瞑る傾向が処方をする側、受ける側にもあると思います」

 高瀬医師は高齢者に対しては、譫妄を起こしにくく、薬価も安い『トラゾドン』という睡眠薬を処方することが多いという。

※週刊ポスト2018年2月16・23日号

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