ライフ

睡眠薬に指摘される危険性 譫妄症状の副作用あるものも

危険性が指摘されている処方薬も

 認知症を患ったことで不眠症に陥るケースは多く、認知症患者で睡眠薬を処方されている人は少なくない。しかし、日本で認知症患者に広く処方されている睡眠薬のなかには、危険性が指摘されているものもある。在宅認知症ケアを行なっている『たかせクリニック』理事長の高瀬義昌医師はこう話す。

「デパスやハルシオンといったベンゾジアゼピン系睡眠薬は注意が必要です。同薬は依存性が高いうえ、看過できない副作用もある。服用を続けると、筋力低下作用のほか、軽度の意識混濁(錯覚や幻覚など)を指す“譫妄(せんもう)症状”などの副作用があります。夜にトイレへ行こうとした高齢者が、これらの症状によりベッドや階段から転げ落ち、大腿骨を骨折して寝たきりになってしまったケースもあります」

 厚労省も2015年策定の『かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン』で、〈従来よりベンゾジアゼピン系睡眠薬は広く使われてきたが、高齢者に対して睡眠薬の安易な導入は避けるべきである〉と注意を促している。

「それでもいまだに広く使われているのは、同薬は効果が見込めるため使いやすいからです。副作用のリスクに目を瞑る傾向が処方をする側、受ける側にもあると思います」

 高瀬医師は高齢者に対しては、譫妄を起こしにくく、薬価も安い『トラゾドン』という睡眠薬を処方することが多いという。

※週刊ポスト2018年2月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン