芸能

田村淳の青学大受験「演出家の迷走」は吉と出るか凶と出るか

受験番組における演出家とは(イラスト/ヨシムラヒロム)

 出演者が難関大学合格を目指すテレビ番組は、それほど目新しい企画ではない。だが、必ず注目を集める人気コンテンツでもある。今年の受験では、タレントのロンドンブーツ1号2号の田村淳が、AbemaTVの番組で青山学院大学合格に挑戦している。土曜日にほぼ毎週、更新されてきた1時間弱の番組は15回を数えた。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、淳の青学一直線に伴走している、もう一人の対照的な受験生の存在感について考えた。

 * * *
 ロンドンブーツ1号2号・田村淳が、9月23日にAbemaTVなどで緊急重大発表を行った。政界進出か!? 引退か!? と様々な噂が飛び交ったが、箱を開けてみれば番組プロモーション。

 田村淳が青学受験に挑戦する番組『偏差値32の田村淳が100日で青学一直線~学歴リベンジ~』(AbemaTV)の制作発表であった。

 10月14日(土)から放送された番組は、回を重ねて今では15回分が配信中。受験戦争も終盤戦ときている。

 放送第1回、淳は冒頭で「学歴よりも学習歴、何を学んだかが大切」と語る。しかし、学歴がない自身がこの論を語っても意味がない。学歴があって言えることだと気づき、大学受験への気持ちが芽生えたと話す。「いつからでも勉強ができることを証明したい!」と意気込む。

 青学にはずっと憧れがあったという淳。AbemaTVを運営するサイバーエージェントの藤田晋社長の母校が青学だから。そんな忖度は決してない。

 筆者も勉強が苦手。淳の気持ちに共感するところも多く「良い番組だなぁ」と頷きながら見ていた。のだが……。

 開始7分後、“一人の男”が「俺も受けていい?」と淳に語りかけた。この介入によって、番組が迷走を始める。

“一人の男”の名前は重藤尚志、通称・シゲさん(47歳)。

「知らないなぁ」と思って当然、しげさんとは番組の総合演出家。金髪、色眼鏡、タトゥーと見るからにギョーカイ人な風貌。自称「日本一の出たがり演出」。

 このプロフィールを見ただけで、地雷臭が漂ってくる。自分から出たがりと言ってしまう人には要注意だと、僕の経験が警告を発する。淳とは親友関係にあるようで、心意気を聞いているうちに感化されたらしい。

 書かずもがな、この番組のテーマは受験勉強。東進ゼミナールで学ぶ淳とともに、視聴者も成長できる内容である。淳も「人生はずっと勉強」と話すように、ピュアな気持ちがベースの受験番組だと思っていた。だが、僕の予想は大きく外れていく。しげさんの素直すぎる人間性によって。

 しげさんは淳にこう語りかけた。「この番組を通して、俺を有名にさせてくれよ!」と。しげさんにとって学びは二の次で、一番の目的は売名にあると早々に表明。そのうえで総合演出を務めるからタチが悪い、番組は、船頭しげさんの元で私利私欲に回を重ねていく。

 第2回放送では、基礎力をあげるため、淳、しげさんは青学中等部の試験に挑む。そこに登場したのが、しげさんの愛娘みゆうちゃん(小5)。

 しげさんとみゆうちゃんの母親は離婚しており、一緒に住んでいないとナレーション。美味しいネタを逃さない淳は、みゆうちゃんに「パパとママがまた一緒になって欲しい」と本音を聞き出す。焦るしげさん……って、コレ受験番組だよな。見たことをまんま書いているが「コレ本当か?」と自身を疑いたくなるほどに奇妙なテンションで進行。

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン