「使いやすくてスッキリした部屋で暮らしたい」と思いつつも、部屋にはモノがあふれ、どこから片付けていいのかわからない。そんな誰もがぶつかる片付けの壁を乗り越え、心地よい家づくりを実践している達人・整理収納アドバイザー小林尚子さんに、その極意を聞いた。
小林さんは、『スッキリ』(日本テレビ系)への出演をきっかけに「最強のムジラー」と注目を集める。近著に『とことん使える! 無印良品人気収納アイテムで「ためない」暮らし』(講談社)がある。ちなみに、夫と2人の子供とともに3LDKのマンション暮らしだ。
そう、彼女がたどり着いたのは、シンプルで機能的な無印アイテムを活用した収納法。早速、彼女のご自宅で、その極意を聞いた。
1999年に結婚して以来、夫の仕事の関係で引っ越しを6回している小林さん。引っ越しのたびに「何とかラクに引っ越しできないか」と考えた末、彼女は無印良品のアイテムが役に立つことに気がついたという。
「余計な凹凸がなく、形がそろっていて、シンプルなのが魅力です。さまざまなサイズがそろっているので、用途も幅広い。それに、無印良品(以下、無印)の店舗は全国にあるので、買い足そうと思った時に手に入れやすい、という安心感もあります」(小林さん・以下同)
もともときれい好きだった彼女は、無印のアイテムを手にするたび、収納の楽しさに目覚め、整理収納アドバイザーの資格も取得。今では片付けられない人向けの講座も行っている。
「片付けられない人に共通していることは、とにかく部屋にモノがあふれていること。4人家族なのに、はさみが10本近くあったり、未使用のノートが何十冊もあったり。とにかく余計なモノが多いんです。モノが多いと捜すのにも時間や手間がかかり、ストレスにもなります。その上、いくら機能的な収納グッズを買いそろえても、それでは収まりきらず、また買い足して…と悪循環にハマり、一向に片付かなくなるのです」
片付けの第1歩は、モノを減らすことから始まる。その上で、収納場所を決めてから、収納グッズを買うことだ。
「私は片付ける時、まず“誰が”“どんな時に”“どう使うか”を考えながら、収納場所を決めます。よく、子供が片付けてくれないという声を聞きますが、それは“どこにしまっていいかわからない”から、片付けられないことが多いんです。
幼稚園には子供たちがたくさんいるのに、いつもきれいですよね。それは、しまう場所が決められているからです。“靴はここ”“かばんはここにかける”など、あらかじめルールが決まっていれば、子供でも片付けやすいんです。家も同じで、ルールを決めればスッキリと片付きますよ!」
◆まずはモノを減らす
収納を始める前に、家の中にあるモノを整理しよう。
「使う頻度の高いモノを一~四軍に分けて、まったく使わないモノは処分を。よく使う一軍は、手の届く場所にしまいましょう」
分類は、一軍は「よく使う」、二軍は「時々、使う」三軍はあまり使わない、四軍は「ほとんど使わない」だ。