特撮ヒロインには、繰り返し特撮作品に出演する人が少なくない。3つの特撮ヒロインを経験した萩原佐代子さんに、当時の思い出を聞いた。
──カネボウのキャンギャルに選ばれた1980年、『ウルトラマン80』(TBS系)に星涼子/ユリアンとして出演されましたが、そのきっかけは?
萩原:隊員に石田えりさんがいらしたんですけど、映画が決まって途中降板されて。それでカネボウのオーディション中継をたまたま見られた円谷プロの方からお話が来たんです。
──1983年には『科学戦隊ダイナマン』で立花レイ役に。違う特撮シリーズのヒロインを演じるのは異例では?
萩原:撮影が始まったら「よお萩原、久しぶり」って声をかける人がいたんです。それが「80」でご一緒した、特撮界きっての強面で知られる東條昭平監督。撮影中は連日、「バカ!」と罵倒されて、ついに「私、バカじゃありません!」って言い返したんですよ。
──もともとモデルで演技経験がなかった。
萩原:小さい頃から特撮ドラマは正座して観ていましたし、いつか「モモレンジャー」みたいになりたいと思っていたので、演じられることは光栄だったんです。ただ、「ダイナマン」はスーパー戦隊シリーズ最大の火薬とガソリンの量。当たり前ですがCGはなく、まさしく「爆発! 科学戦隊ダイナマン」でした(笑い)。擦り傷や焦げた髪を見たマネージャーに「何の仕事なんだ」と言われていました。
──さらに『超新星フラッシュマン』(1986~1987年、テレビ朝日系)にも出演と、萩原さんは、まさに特撮の守り神でしたね。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号