第二次世界大戦の終戦直後、GHQは日本人に贖罪意識を植え込む洗脳政策を実施していた。その一つに「朝鮮を批判してはいけない」という項目があるとケント・ギルバート氏は指摘している。ケント氏と『東京裁判をゼロからやり直す』(小学館新書)の共著者、井上和彦氏のスペシャル対談、GHQの占領政策に影響を受けた日本の言論により、70年後のいま、何が起きているのかを語り合った──。
ケント:沖縄では反米軍基地運動が展開されていますが、「九条を守れ」と言いながら「米軍は出て行け」ですからね。日本に丸裸になれと言っている。
井上:彼らはよく「沖縄に基地を押し付けている」と言うんですが、米軍基地が沖縄にあるのは、簡単に言えばあの場所に基地があることで、アメリカは朝鮮半島と台湾の有事に即応でき、中国、中央アジア、中東まで睨みを利かせることができるからです。アジアの安全保障にとって極めて重要な場所だからアメリカは基地を置いているわけで、日本政府が沖縄に押し付けているわけじゃない。
ケント:結果的に日本にも大きなメリットがあるということですね。
井上:もし日本から米軍基地がなくなると、一番困るのは実は韓国でしょう。現在の在日米軍と在韓米軍の戦力を比較すると、在日米軍は、世界最強の第7艦隊を筆頭に陸海空合わせて5万人規模ですが、在韓米軍は、陸軍部隊を中心に空軍部隊がいるだけで、海兵隊および海軍部隊はわずか。規模も在日米軍の半数程度です。つまり、朝鮮半島有事の際には、在日米軍が主力になる。
ケント:日本の左派の人たちは「軍事基地があるから戦争になる」と本気で信じていて、日本が武装解除すれば戦争にならないというんですね。それこそが戦争を誘発するということがわかっていない。在日米軍基地がなくなれば、北朝鮮が韓国に攻め込む可能性も高まる。