平昌オリンピックフィギュアスケート男子の公式練習が行われた2月13日、フリーの『SEIMEI』の曲を流し、動きを確認した羽生結弦(23才)。4回転ジャンプも決めるなど順調な調整ぶりで、練習後の会見でもこう答えた。
「クリーンに滑れば絶対に勝てる自信はあります。問題はないです。これ以上ないことをしてきたので、何も不安要素はありません」
昨年11月、NHK杯(東京)の公式練習で右足関節外側靭帯を損傷。シーズンの残り試合はすべて欠場し、氷上練習を始めたのは今年1月半ばから。今大会では団体戦出場も回避し、2月16日からの男子シングルはぶっつけ本番だ。
しかし、羽生同様に自信をみなぎらせるのはコーチのブライアン・オーサー氏(56才)だ。2012年からコンビを組み、羽生は練習拠点をカナダ・トロントに移した。そのオーサーコーチは愛弟子の状態について、五輪開幕直前に「日に日によくなっている。大丈夫だ」と自信ありげに述べた。
「ここ数年、実際にはオーサーがつきっきりで羽生の練習を見るのではなく、オーサーの下にいる専門性の高いスタッフが彼に指導する態勢を取ってきました。しかし、昨年11月にけがをして以降、それまで以上に2人は密に接しているようです」(スポーツ紙記者)
連覇がかかった五輪シーズンのアクシデントを乗り越えるため、羽生はコーチと話し合い、ある決断をしたという。
「羽生はけがをすると、日本で治療することが多い。たとえば、2014年シーズン末に足首を捻ったときは都内の大学病院で処置を受け、地元・仙台で信頼する整体師の元に通って治療しました。しかし、昨年のけがの時は1週間ほど日本にいただけで、すぐにカナダに戻り、現地で治療にあたりました。
また、例年であれば12月末の全日本選手権に出場した後、気分転換もあって年末年始は仙台の実家で過ごしました。ところが今年は帰国せずにトロントで年を越したそうです。いつ練習を再開できるのかわからないギリギリの判断の中で、コーチのそばにいて密に意見交換をしたようです。不安の声も聞こえますが、周囲は驚くほど落ち着いています」(前出・スポーツ紙記者)
そんな羽生を支え続けたのは母親の由美さん。羽生とともにトロントに渡り、衣食住をフルサポートした。
「実は一時、羽生の恋愛関係にお母さんが意見をして、母子があまり口をきかないことがありました。しかし、今はけがもあってカナダで2人っきりで落ち着いて過ごす時間が増えた。“反抗期”が過ぎ去って、良好な関係に戻ったようです」(羽生家の知人)
羽生はけがという逆境を経て“周囲を信頼して、頼るべきところは頼る”というスタンスになったという。66年ぶりの五輪連覇!というニュースが飛びこんでくるか。
※女性セブン2018年3月1日号