今冬はインフルエンザが大流行しているが、太融寺町谷口医院院長の谷口恭医師は、解熱鎮痛剤を使う時は処方薬も含めて、その成分に注意すべきという。
「風邪の病原体によっては解熱鎮痛剤が症状を悪化させることがあります。たとえば、インフルエンザが重症化すると、インフルエンザ脳炎・脳症という状態になることがあります。このときに、サリチル酸系解熱剤を使用すると、脳の血管を傷つけ、症状が悪化するリスクが出てきます。水疱瘡やデング熱でも同様に重症化する恐れがあります」
この解熱剤は医療機関でよく処方される総合感冒薬PL顆粒、ピーエイ、ペレックスなどにも含まれ、実は市販の解熱鎮痛剤にも含まれている。
インフルエンザなのに医師が安易に“軽い風邪”と診断して処方すると、「場合によっては命にかかわる可能性がある」と谷口医師は指摘する。
「初期の段階で普通の風邪とインフルエンザ、水疱瘡、デング熱を見分けるのは医師でも困難なことがあります。高熱を伴う風邪の症状には、インフルエンザを含むあらゆる風邪に有効で、赤ちゃんから妊婦、高齢者まで使える『アセトアミノフェン』を第一に考えるべきでしょう」
※週刊ポスト2018年2月16・23日号