都会で生活する人が、地方にももう一つ拠点を構え、行き来しながら生活をする「二拠点生活」の需要が高まっている。2016年度から国土交通省が2つの地域での居住を促進するためのモニター調査を実施するなど、行政機関も、本格的な取り組みを見せている。
百聞は一見にしかず。あれこれ頭で考えるよりも実際に足を運んで、その土地の空気に触れてみると、ライフスタイルがより明確になる。自治体などで実施しているツアーに参加してみるのもいいだろう。そこで、主だった体験施設をピックアップした。
◆地域を見学してみる
地域見学で、その土地の暮らしを肌で感じる方法も。石川県金沢市では、町家暮らし実践者のお宅訪問や市内の保育園、地元スーパー見学など、参加者の希望に応じたオーダーメードツアー『金澤ふうライフ体験』を実施(交通費、宿泊費は実費)。ツアー体験を寄稿すれば、謝礼も支払われる。
◆職業体験ツアーに参加してみる
その土地でいずれ働いてみたいという人のために、職業体験ツアーも行われている。青森県十和田市の農作業体験では、種まきや収穫など地元の仕事体験ができる。
◆お試し住居をフル活用
自治体にもよるが、移住体験施設には、1泊あたり数千円で宿泊可能。福井県越前町では、2階建ての空き家を体験施設に活用している。光熱費の他、家電、キッチン用品の使用料、高速インターネット費込みで2泊3日6000円~。
◆家庭菜園が趣味なら滞在型市民農園へ
野菜や果物、花などを栽培したい場合は、全国に約60か所ある滞在型市民農園へ。その先駆けの『フロイデン八千代』(兵庫県多可町)は、大阪、神戸から車で約90分の立地にあり、初年度費用は入会費込みで約70万円。
なにかと費用がかかる二拠点生活。その負担を少しでも減らすためにも、知っておきたい制度やサービスを紹介する。
◆交通費補助制度を活用
新潟県湯沢町では、移住者の都心への通勤費を一部補助している。年齢制限があったり、独身者は対象外、など、条件はあるものの、月額で最大5万円(10年間)の補助は大きい。他にも電車や高速バスの交通費を一部負担する自治体もあるので問い合わせを。
◆全国の空き家バンクを探す
地域内の空き家を住居として紹介する空き家バンク。自分が求める条件にぴったりな家が見つかることも多いので、各自治体のホームページから利用者登録を。全国の情報を得るなら情報サイト『LIFULL HOME’S 空き家バンク』をチェックして。
◆『コワーキング・スペース』を利用して
地方で仕事をする場合、『コワーキング・スペース』と呼ばれる共同オフィスを利用する手も。料金が安く、利用者同士間の交流や情報交換もできる。『富士見 森のオフィス』(長野県富士見町)ではデスクに加え、高速インターネット利用で1日700円~。
◆子育て支援も充実
子育て中の家族にとっては、都会よりも地方の方が手厚い補助を受けられるケースが少なくない。18才までの子供の医療費の助成、もしくは全額負担といった自治体もある。
※女性セブン2018年3月1日号