芸能界に不倫騒動が相次いだこともあり、不倫を取り上げるドラマが増えている。その傾向に最近、変化が見られるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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「サレ妻地獄へ、ようこそ」というキャッチコピー通りの過激な展開で話題を集めている『ホリデイラブ』。同作は、最愛の夫・高森純平(塚本高史)に不倫されてしまう=“サレ妻”・高森杏寿(仲里依紗)を主人公に据えた物語です。
かつては、不倫に走る妻=“スル妻”を主人公に据え、「まるでロミオとジュリエットのように甘美で切ない純愛として描く」不倫ドラマが多かったものの、今作は真逆のコンセプト。さらに、「不倫を日常に潜む罠として扱った上で、そこから夫婦再構築を描く」という新機軸の物語です。
思えば、昨年放送された『あなたのことはそれほど』(TBS系)は、“スル妻”・渡辺美都(波瑠)が主人公の物語でした。それ以前も、『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)、『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)、『紙の月』(NHK)など、やはり主流はスル妻。
しかし、前期の昨秋に放送された『ブラックリベンジ』(日本テレビ系)、前々期の昨夏に放送された『カンナさーん!』(TBS系)は、主人公がサレ妻だったほか、来期の今春に放送予定の『あなたには帰る家がある』(TBS系)でも、主演の中谷美紀さんがサレ妻を演じることが発表されています。
連ドラの主人公が、スル妻からサレ妻に変わっているのは明らかですが、ここまで急激にシフトしたのはなぜなのでしょうか。
◆スル妻を演じた波瑠にバッシングが殺到