女性政治家の失言やスキャンダルが政界に嵐を呼び、女性都知事がその嵐に乗じるも、彼女もまた躓いてしまう。そんな昨年の衆院選を批評した古谷経衡氏が国際情報誌・SAPIOに綴った「女性政治家の通信簿」が反響を呼んだ。女性に点数を付けることが「女性蔑視」との声も寄せられたが、政治家の資質を問うことが非難されるのもおかしい。
先進国で日本の女性議員率は圧倒的に低い(衆議院で約10%、世界平均の半分)。前号に続き古谷氏、そして日本はもちろん、海外の事例も知る舛添要一前都知事とともに、女性政治家の現状を語ってもらった。
〔議員名のあとの括弧内の表記は、(年齢、所属、当選回数)を表す〕
古谷:僕はいまの日本の女性議員を巡る問題には、マスコミの責任が大きいと考えているんです。小池百合子(65・都知事)や山尾志桜里(43・無所属〈元民進〉・衆3期)ばかりを取り上げて、地道に活動を続ける地方議員にまったく注目しない。光を当てたとしても美人すぎる市議ぐらいでしょう。
舛添:まったく同感です。マスコミの罪はとてつもなく大きい。政治とテレビの関係が変質したきっかけが小泉政権です。劇場型政治とくに女性議員とワイドショーは相性がいい。
古谷:小泉チルドレンの片山さつき(58・自民・参2期)と佐藤ゆかり(56・自民・衆3期)、郵政民営化に造反した候補に立てた「くノ一」と呼ばれた女性議員たちをメディアはこぞって取り上げた。小池もくノ一の1人だった。リベラルの辻元清美(57・立憲民主・衆7期)や山尾にしてもマスコミにとっては劇の配役に過ぎない。