がんや脳卒中、心筋梗塞を招く恐れもある「加齢性ストレス」は、仕事などによる強いストレスに晒されている“現役世代”に多い印象があるが、実はシニアのほうが受けているストレスが多く、原因も複雑多岐にわたるため本人が気づきにくいという。
では、具体的にはどのような人が「加齢性ストレス」の危険に晒されているのだろうか。子供が身近にいてくれれば老後は何かと安心だし、ひとり暮らしの孤独も感じずにすむが、それがストレスになることもある。一人で暮らしていた家を建て替え、息子夫婦と二世帯での同居を始めた森俊郎さん(67・仮名)がこぼす。
「息子は仕事で帰りが遅くなるので、家族の食事の時間もそれに合わせて遅くなる。早く寝たいが、息子は働いているんだから合わせるべきと妻まで言ってくるので諦めている。そのせいか寝付きが悪く、体調が優れない」
高齢者1000人に生活満足度を調査した辻川覚志医師によれば、同居によって我慢することが増え、ストレスが蓄積してしまうケースは珍しくないという。
「同居の場合は適度に距離を取り、それぞれのペースで生活を送るほうがストレスが軽減されると思います」(辻川医師)
※週刊ポスト2018年3月2日号