宮内庁は眞子内親王と小室圭さんの結婚延期を2月6日に公表した。皇族とはいえ、結婚をどうするかは2人の問題であり、秋篠宮家と小室家の問題だろう。しかし、この2年間の“猶予”は、眞子内親王、そして他の未婚女性皇族の将来の立場、さらに皇室の在り方さえも左右することになるかもしれない。
棚上げになっていた「女性宮家創設」をめぐる皇室典範改正の議論が再燃する可能性があるのではないかという声が浮上しているのだ。女性宮家については、小泉政権で女性・女系天皇が検討された当時から課題だったが、議論が本格化したのは民主党政権からだ。
皇族の減少や女性皇族が結婚適齢期に近づいていたことから、野田佳彦内閣は「喫緊の課題」とし女性宮家創設に向けて動き出した。しかし、政権交代後は安倍首相が「女性宮家を認めてしまえば、将来女系天皇が誕生する可能性が高い」と表明。一切を白紙撤回して女性宮家創設の機運は一気にしぼんだ。
天皇の退位に関する「皇室典範特例法」の議論では、女性宮家も議題に上ったものの、結局、検討のスタートは天皇の退位後に先送りされることになった。今年の11月に予定されていた眞子内親王のご結婚には間に合わないスケジュールだったのだ。
それが今回の結婚延期により、再び状況が変わってきた。皇室ジャーナリストの山下晋司氏が言う。
「皇室典範を改正するのであれば、眞子内親王殿下が結婚される前の方がいいという意見は出るでしょう。仮に眞子内親王殿下が結婚された後に改正され、改正後に佳子内親王殿下が結婚されたら、姉は一般国民なのに妹は皇族のままという不自然な状況になってしまうからです。ですから、今回のご結婚延期が女性宮家創設をめぐる議論に影響を与えることは間違いないでしょう。眞子内親王殿下のご結婚までに皇室典範を急いで改正する可能性もゼロとは言い切れません」
とはいえ女性宮家創設となれば様々な現実的な変化が生じる。