パンは好きだけど、パサパサして硬いパンの耳はちょっと苦手という人も…。だからといって捨てるなんてもったいない! パンの耳は、煮てトロ~リ、焼いてパリッの変幻自在な“優秀食材“なのだ。
パンの耳は、主に3つの使い方ができると、パン&フードコーディネーターの本美志津子さん(以下、「」内同)は話す。その3つとは、
【1】麩の代用
【2】とろみをつける
【3】ボリュームを出す
である。
「パンの耳は、煮込んでも溶けずに弾力が残るため、お麩のような食感が楽しめます。味が浸み込みやすく、煮ると軟らかくなるので、日がたって、硬くなったものでもOK。型崩れしにくいので、豆腐などの煮崩れしやすい食材の代用にもなりますし、餃子や肉団子の餡に加えれば、ボリュームアップにも」
さらに、春巻きなどの具にパンの耳を入れると、バラバラになりやすい食材をまとめ、巻きやすくしてくれる。
「スープの材料に混ぜてミキサーで攪拌すればとろみづけに。また、ハンバーグのたねに入れれば、つなぎの役割を果たしてくれます。つまり、細かくすることで片栗粉やパン粉代わりにもなるのです」
砂糖をまぶして揚げたり、フレンチトーストにしたり、スイーツにもなるパンの耳。本美さんは、その中でもティラミスがイチ押しだとか。
「濃いめに溶いたインスタントコーヒー60cc(大さじ4)に砂糖大さじ3を加えて混ぜ、1cm幅に切ったパンの耳を浸します。器に、パンの耳とマスカルポーネチーズ適量を交互に重ね、仕上げにココアパウダーを振りかけたら冷蔵庫で冷して完成。パンの耳をしっかりコーヒー液に浸すのがポイントです」
本美さんが、“見た目は麻婆豆腐、食感はまるでお麩”なパンの耳料理のレシピを教えてくれた。
■『パンde麻婆』の作り方(2人分)
【1】パンの耳4本は1.5cm幅に切り、長ねぎ1/2本はみじん切り、しめじ1/2パックは石突きをとり、小房に分ける。
【2】みじん切りにしたしょうが大さじ1、同じくみじん切りにしたにんにくと豆板醤各小さじ1を合わせておく。
【3】水1.5カップ、しょうゆ・酒各大さじ1、オイスターソース大さじ1/2、ガラスープの素(顆粒)小さじ1を合わせておく。
【4】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、【2】を入れて弱火で香りが出るまで炒める。中火にして豚ひき肉100gを加え、【1】のしめじを入れて炒める。
【5】 【4】に【3】を入れて、煮立ったら【1】のパンの耳を加えてさっと混ぜる。水溶き片栗粉(片栗粉・水各大さじ1)を入れてとろみをつけ、ごま油少量を回しかけて火を止め、【1】の長ねぎを入れて混ぜる。
※女性セブン2018年3月8日号