カレンダーやポスター、雑誌でのグラビア、写真集の撮影などで幅広く活躍し、近年はTV番組のコメンテーターや政府の諮問委員まで務める写真家・関口照生氏。約半世紀に及ぶ写真家生活の中で出会った女優たちとの撮影秘話を明かす。
関口氏の写真集を語る上で欠かせないのが名取裕子の『序の舞』(1984年)。
「彼女が肌の露出をギリギリで表現する映画のタイアップ写真集でした。僕なりに彼女の将来の可能性やエロティシズムを表現できたらいいなって思ったので、場所にもこだわり、ある大物政治家の別邸で特別に許可をもらって撮影しました。
特別な場所での撮影は、被写体の気分も上がるので良い作品が撮れます。彼女の表情は唇に特徴があるんですよね。ちょっと唇が開いている感じが艶っぽくて僕は好きです」
同じく映画とのタイアップで1988年に発売されたかたせ梨乃の写真集『娼婦たちへDAY FOR NIGHT』は3日で完売。
「グラマラスな魅力、テーマである娼婦、そして主張の激しさを撮りました。昼間は映画の撮影で、写真集の撮影はほとんど夜や明け方だったけど、京都の路地を探して撮影したときには、一瞬ですっと女優さんの表情になりました。感心しましたね」