「佐川を追え!」──霞が関では、国民の怒りから逃げ回る佐川宣寿・国税庁長官の“潜伏場所”を突き止めようとするメディア各社の取材班による追跡劇が連日展開された。
本誌・週刊ポストは佐川氏の乗った公用車を追跡し、ついに滞在ホテルを突き止めたことを2月19日発売号で報じた。そのホテルは、皇居の内堀に面した一等地に建つ「KKRホテル東京」であった。地上15階建てで下層階は政府全額出資の国際協力銀行の本部、上層階が客室になっている。
財務省所管の国家公務員共済組合連合会が経営し、公務員は一般料金の約3割引きという格安価格で宿泊できる。財務省の会議が開かれることも多く、同省御用達なのだから“セキュリティ”は万全だ。
「我々が国会対応で帰宅できない時に利用するのは1泊8000円ほどのシングルだけど、長官が滞在するなら、部屋で打ち合わせができるようにスイートに泊まるんじゃないか」
若手官僚はそう語る。ちなみに、眼下に皇居の森を一望できるスイートルームは1泊約3万円。近隣の民間ホテルなら1泊10数万円するグレードだ。
佐川氏の国民からの“逃亡生活”は昨夏以来、半年近くになるとみられている。
その間のホテル代や食費などの費用は相当な金額になっているはずだ。一体、誰が払っているのか。国税庁長官のホテル暮らしが「公務」扱いで、領収証を役所に出して経費精算しているなら、国民の税金で賄われていることになる。当然、国税庁には領収証が保存されていなければならない。この記録まで「廃棄した」という言い逃れは通用しない。