プロ野球のシーズン開幕が迫ってくると、観戦の楽しみを増やしてくれる選手名鑑が店頭に並ぶ。選手名鑑は、“出演者”である選手も愛用している。
「選手もコーチも熟読していた」と明かすのは、元阪神のドラ1投手で「松井キラー」こと遠山奬志氏だ。
「特に新人選手の出身地や出身校などチェックするのに便利だし、事前情報として顔を覚えるのに使ってました。阪神からロッテに移籍した時は、対戦したことのない相手ばかりなので、あわてて名鑑で確認した記憶があります」
元阪神球団社長の野崎勝義氏も、「選手名鑑は毎年手元に置いていた」と語る。
「僕は電鉄本社から球団に来た門外漢だったので、ポケット版名鑑は必需品でした。過去の年俸が表になって出ているのでスポニチ版を愛用していました。仕事柄、ゲームを見ながら何年目の選手か、どこの出身か、去年の年俸はいくらかを参照していました」
内部の人間だからこそ見抜ける“間違い”もあると遠山氏が明かす。
「漫画では選手名鑑で相手の年俸を見てマウンドに向かう、なんてシーンもありましたが、自分の年俸を名鑑で見ていると入団して2~3年は正しい数字だったけど、だんだん誤差が出てきていた(笑い)。だから特にベテラン選手の年俸は信用していなかった」