日本全国47つの都道府県があれば、自ずと勉強ができる県とできない県が出てきてしまうのは仕方のないこと。子供の学力にも都道府県格差がある。
それを計る指標となるのが文部科学省の実施する学力調査だ。一般的には、収入が多く塾などが整備された大都市圏ほど教育に有利と考えられがちだが、小学6年生を対象とする国語・算数のテストでは、そんなイメージとは異なる結果となっている。
トップ3は石川、秋田、福井で、東京は7位。中学生のテストでも、トップ5まではほぼ同じ結果となり、小中学生の学力には地域格差が大きく存在する。特に秋田は前回までの7年間はトップを独走していた。経済学者で京都女子大学客員教授の橘木俊詔氏が語る。
「秋田と北陸3県の学力が高い理由は教育熱心な県であること。秋田では生徒一人ひとりに家庭学習ノートが与えられており、自主的な学習が推奨されています。また、両親、祖父母も協力的で家族全員で一丸となって教育を行なっているからでしょう」
2017年に2位に陥落するも、これまで小学生学力テストで7年間トップの座に君臨してきた秋田。その学力を支えるために教育費を多く使っているかというと、秋田は43位と下位。小学生の通塾率を見ると上位5位は東京、神奈川、兵庫、奈良、和歌山で、小学生の2人に1人が塾に通っている。一方、秋田は47位。塾に通うのは5人に1人の割合だ。
「主に小学生が塾に通う割合は大都市圏が多い。とはいっても、塾に通うのは富裕層の子供だけ。塾に通えない子供との格差が大きい。そのため学力テストにおいて、大都市圏では平均が下がってしまうのでしょう。一方、秋田は教育熱心県であり、一部の富裕層だけでなく、自宅学習をメインに学力アップを図っています」(橘木氏)