確定申告シーズン真っただ中に、奈良県葛城市で1億8000万円という巨額の裏金疑惑が発覚し、関西でにわかに話題を呼んでいる。原資不明とされるこの1億8000万円は、岡本吉司市議(70)が個人口座で管理していた。市議会の追及にその存在を明かし、2月19日、葛城市議会においてこの問題の調査に関する百条委員会の設置が可決されたのだ。
この不明金は、2004年の市町村合併前の旧・新庄町の時から存在したとされる。岡本氏は、合併後に初代の副市長を務め、退職後、会計管理者からこのカネを小切手で引き継いだという。岡本氏が市議になったのはその後のことで、口座からは数度にわたり計450万円が引き出されている。
いったい原資は何なのか。引き出されたカネは何に使われたのか。疑惑の目が岡本氏に向けられる中、百条委員会の設置が可決した直後に市議会で「逃げも隠れもしないで答える」という岡本市議を直撃した。
──何の金だと思っていた?
「俺にはわからん。わからんもんはわからん」
──原資は?
「今もわからへん」
──合併前の新庄町から引き継がれたお金であることは事実?
「そりゃそうやがな。預かった当時は何もわからんけど、預かってくれと言われたから預かっただけや」
──1億8000万近くの金を預かって、問題あるとは思わなかった?
「そういま言われたら、そういう気もするけどな」
──裏金、市議会では非公式の未処理金と呼ばれているが。
「何をもって裏金というんや。未処理金とも裏金ともわしは思ってないから」
──預かる時に何の金か聞かなかった?
「俺かて、そんなこと思ってなかったから。今言われてみたら軽率だったかなと思うけれども」
──資金の一部が出金されているが、何に使った?
「公共の事業のために。予算が不足するとかで、知っている人から相談をうけた。わしは決して私的なことには使うとらん。その金で家を建てたともいわれとるけど、家なんかもっと前に建てとるわ!」