様々な出身地の人が集う飲み会で「県民性ネタ」は鉄板だが、中でも盛り上がるのが食べ物絡みの話。ラーメン、味噌や醤油などの調味料、鍋など、地方によって好みが変わるものはたくさんあるが、「消費量」でも特徴は現れる。例えば餃子の消費量では栃木県宇都宮市と静岡県浜松市が1位の座を毎年激しく争っている。
洋食文化の代表格とも言えるパン消費量の1位は、意外にも古都・京都。さらに2位以下に兵庫、岡山、大阪と続く。またパンに合う飲み物であるコーヒーの家庭内消費量1位と、京都は2冠を達成している。経済学者で京都女子大学客員教授の橘木俊詔氏が語る。
「京都は学生の多い街。若者たちが米食よりもパン食を好むからでしょう。また一説によると京都人は合理的で新しもの好きという気質を持っており、パンが市販され始めた明治時代から積極的にパン食を取り入れてきたのかも。最初にパン食が入ってきた神戸のある兵庫が2位であることも有力な説と考えられます」
コーヒー消費量の2位以下には鳥取、滋賀、広島、北海道が続き、お茶の生産地である静岡が最下位となっている。なお喫茶店店舗数の多い高知、岐阜、愛知、和歌山、大阪では家庭内消費量は平均以下に位置する。
一方、ラーメンに目を向けると、人口10万人あたりの店舗数で最も多い県は山形で、2位に栃木、3位に新潟と続く。最も少ない県は奈良、その次は兵庫、大阪となる。山形は1世帯当たりラーメン外食費用でも、全国平均の約3倍の1万5622円で1位。名物の冷やしラーメンが夏場の消費を押し上げているのか。ラーメン王国といえるだろう。