「歳をとると背中が曲がって腹も出る。若い頃のようにシャキッとしたいよ……」──そうボヤく人が簡単に“スマート”な姿勢になる方法がある。
マッサージや整体に行かなくても、自宅で簡単に肩こりや腰痛が治せる、そんな画期的な手法が「筋膜リリース」だ。提唱者である首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授の竹井仁氏が語る。
「筋膜は筋肉を覆い、さらに筋肉の中の1本1本の筋繊維まで包み込む膜です。約1mmの厚さですが5層に分かれており、各層の間にはコラーゲンやヒアルロン酸が分布しています。
筋膜がねじれると、このコラーゲンやヒルアロン酸が一か所に寄り集まって固まり、こりや痛みを招く。そうしたねじれやよじれをほぐし(リリース)、こりや痛みを解消するのが筋膜リリースです」
筋膜リリースは昨年、テレビなどで紹介されて大人気となり、竹井氏による筋膜リリース関連の著書は累計50万部を超えるベストセラーとなった。今回、竹井氏が新たに提唱するのは、筋膜リリースによる「姿勢改善」だ。
「姿勢の悪さは幼い頃からの癖や体を動かすフォームが影響して起こるものです。一度変な癖がつくと筋膜がよじれてその部分が凝り固まってしまう。そのこりによって体が柔軟性を失い姿勢が悪くなるのです。
こりをとるには、全身の広い範囲で筋膜リリースを行なうこと。それによって全身をボディスーツのように包み込んでいる筋膜がどの方向にも自由に動くようになる。そうなるとその下にある筋肉がほぐれ、正しく動かすことができるようになるので、姿勢改善につながるのです。
広い範囲の筋肉を活性化するので代謝が上がり、エネルギー消費量が増えるためダイエット効果もあります」(竹井氏)