日本全国、ところ変わればライフスタイルも変わるのが当たり前。人間の三大欲求のひとつである睡眠を見てみると、睡眠時間の長い県は秋田で、1日に8.02時間。
最下位の埼玉(7.31時間)とは30分もの差があり、年間約182時間も多く寝ていることになる。上位にランクインしているのは青森、山形、岩手など東北地方が多い。下位グループは、東京に隣接する千葉、神奈川、大阪のベッドタウンである奈良、兵庫が続く結果となった。経済学者で京都女子大学客員教授の橘木俊詔氏が語る。
「睡眠時間には通勤時間と密接な関係があります。通勤時間の長さによって睡眠時間が削られてしまうのでしょう」(橘木氏)
通勤時間の最も長い県は、1時間45分で神奈川が1位、そして千葉、埼玉が続く。最も短い県は57分の大分を筆頭に、鹿児島、島根、秋田、青森の順で、睡眠時間と真逆の結果となっている。さらに平均就寝時間でも、睡眠時間と同様に睡眠時間の短い県が上位(就寝時間が早い)にランクインする傾向がみられる。
また睡眠時間の長い県は、2015年農林業センサスによる農業就業人口ランキングで上位に名を連ねており、睡眠時間の長さは業種によっても異なる可能性が考えられる。
◆取材・文/浅井英彦(HEW)
※週刊ポスト2018年3月9日号