いよいよプロ野球開幕まで1か月を切った。長いペナントレースのカギを握るのが、大枚を叩いて獲得した新外国人選手の働きだ。パ・リーグで注目度が高いのは西武入りした右腕・カスティーヨ(推定年俸1億260万円)。ローテーション入りが期待されるパワーピッチャーだ。注目が集まるのは「自称・最速166km」を豪語しているからだ。
紅白戦での投球では149km、ロッテとの練習試合では152kmが最速と、まだ“本領”が発揮できていないようだが、こうした新外国人の「球速申告」がファンを惑わせるのもこの時期恒例のことである。
一昨年、メジャーから鳴り物入りでオリックスに入団したコーディエはやはり「最速166km」という触れ込みだった。この選手の場合、実際に球は速かったものの、ノーコンで防御率7点台のまま6月に登録抹消。そのまま本国へ帰っていった。
中日の正捕手として20年間マスクをかぶった木俣達彦氏は、「外国人選手が新たに加入した場合、球の速さは評価基準にはなりませんよ」と断言する。
「常時コントロールされた150km以上の球を投げられるなら話は違いますが、そういうピッチャーはメジャーで通用するから、そもそも日本に来ません。
むしろ大事なのはインコースを使えるかどうか。右ピッチャーの場合は右打者の内角に食い込んでくるシュートが持ち球にあると成功しやすい。ただし、米国ではインコースの判定が厳しいので、そういう攻め方ができる外国人投手は意外と少ないですね」
西武のカスティーヨの持ち球には、チェンジアップとツーシームはあるが、シュートはない。
※週刊ポスト2018年3月16日号