2020年の東京五輪で「メダルラッシュ」が期待されるレスリング界が揺れている。五輪4連覇中の伊調馨選手(33才)への「パワハラ疑惑」が『週刊文春』で報じられた日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57才)。3月1日、栄氏は奈良県にあるスポーツジムのイベントを訪れていた。隣には、愛弟子の吉田沙保里選手(35才)がいた。
「レスリングファンなど100人近く集まりました。前日にネットで報じられたので騒動は知られるところでしたが、2人ともいたって普通に握手や写真撮影に応じていました」(スポーツジム関係者)
記事の真偽について、栄氏は「ぼくの中ではやってないと思います」と否定。一方、15年以上にわたって栄氏の指導を受けてきた吉田は、一切の沈黙を貫いている──が、栄氏への「信奉」が垣間見えた瞬間があった。
《陰湿なパワハラ体質が中心にあって、沙保里はじめこれだけの強くも明るく、爽やかなチャンピオンたちが育つと思いますか? 栄監督の指揮の下、高校生、大学生でこの9年余、退部者は1人もいません。事実が人間性の証明。》
報道後、日本レスリング協会の谷岡郁子副会長は、ツイッターにそう投稿した。
「そのつぶやきを吉田選手がリツイート(拡散)したそうです。面と向かって栄氏を擁護するのが憚られたのかもしれませんが、気持ちは伝わってきました。騒動が広がったことで後に削除したようですが、吉田選手が、栄氏のいちばんの味方であることは明白です」(スポーツ紙記者)
吉田が栄氏の指導を受け始めたのは、至学館大学(当時は中京女子大学)に入学した頃。以来、二人三脚で日本のレスリングを牽引してきた。いや、二人三脚どころか、一心同体ともいわれた。
レスリング協会が倫理委員会を開いた3月6日、本誌・女性セブンは都内で吉田を直撃した。だが、栄氏の騒動について尋ねても、小さな声で「すいません」と答えただけだった。
※女性セブン2018年3月22日号