高収入の実業家や医者、弁護士などハイスペック男性と、彼らと知り合うべく夜な夜な港区で飲み会を繰り広げる港区女子。だが、ハイスペ男性と結婚しても幸せになれない女性もいる。現役港区女子の吉川リサコ氏が、今も港区女子界隈で語られる「アヤコ」のケースをリポートする。
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アヤコはその時、選択の真っ只中にいた。子供を連れて別れるか、それとも結婚を続けるか──。
沢尻エリカ似のアヤコは、キリっとした目が印象的な美女である。
彼女は、港区女子たちの飲み会に顔を出すようになる前、長年付き合った彼氏がいた。同い年のユウマ。名門として知られるお嬢様系女子大に通っていたアヤコは、インカレサークルで東大医学部のユウマと出会い、付き合いはじめた。
ユウマは父親が開業医。母親はかつてモデル。本人の見た目は妻夫木聡。バスケが上手。そのうえ優しい。そんなユウマにアヤコも心を開ききっていた。2人は、将来は結婚しようと約束した。
すれ違いが始まったのは、アヤコが化粧品メーカーに就職してからだった。ユウマは研修医として忙しくなり、アヤコは出張や残業、接待など生活リズムが合わなくなった。駆け出しのアヤコは仕事に慣れず、不安定にもなった。ユウマも、働いていない自分と、アヤコの周りにいる社会人を比較して少し卑屈になっていた。
学生同士の恋愛とは違う。分かっているのに……。お互い嫌いになったわけではないが、2人は破局を迎えた。