ビジネス

牛丼業界に頭打ち感 宅配事業やコラボ展開で成長を模索

国民食となった牛丼も新たな業態を模索している

 王者が王者であり続けるためにはたゆまぬ努力が必要だ。国民食・牛丼を取り巻く環境について、食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が指摘する。

 * * *
 現代における大衆食文化の代名詞とも言える「牛丼」。数年前までは、各チェーンが味や価格、新商品開発などで激しいつばぜり合いを繰り広げていたが、最近は宅配や通販、コンビニとの連携などサービスのあり方についての変革が目につくようになった。

 とりわけ牛丼の代名詞と言われる吉野家が、新たな売り方やアイテムを次々に打ち出している。多様化する生活者の食環境を反映した形である。

 吉野家は2017年6月から宅配ポータルサイト「出前館」を介した宅配サービスをスタートさせた。吉野家本体はデリバリー機能を持たないが、「出前館」へと宅配機能をアウトソーシングすることで自前のデリバリー機能がなくても、宅配が可能になる仕組みだ。例えば、恵比寿駅前店なら最低購入金額は1800円から、「送料」300円はかかるものの、3名程度の注文をまとめれば注文ができる。

 同年11月には法人向けの弁当配達サービス「ごちクル」を導入。現在、港区、渋谷区、品川区など東京23区の一部で配達を行っている。こちらは価格が注文金額に応じて、配達料が変わる仕組みで、1万円以上の注文は配達無料となっている。

 ちなみに通常店舗での牛丼の並盛りは380円(税込み)だが、「出前館」は570円、「ごちクル」では600円。吉野家はショッピングモールなどの一部店舗では価格設定を変えているが、宅配サービスでも規模や展開によって価格を変えている。

 この数年、吉野家はもうひとつ力を入れている宅配事業がある。調理済みの冷凍牛丼の具だ。AmazonやYahoo!などさまざまなショッピングサイトで売られている「牛丼の具」に加えて、昨年から「食後血糖値の上昇をおだやかにする」というサラシア入りの「冷凍サラシア入り牛丼の具」を発売した。糖質制限ブームが牛丼店のメニューづくりさえも、動かした形だ。

関連記事

トピックス

アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
10月末に行なわれたデモ。参加者は新撰組の衣装に扮し、横断幕を掲げた。巨大なデコトラックも動員
《男性向けサービスの特殊浴場店が暴力団にNO!》「無法地帯」茨城の歓楽街で「新撰組コスプレ暴排デモ」が行なわれた真相
NEWSポストセブン
秋田県ではクマの出没について注意喚起している(同県HPより)
「クマにお歌を教えてあげたよ」秋田県で人身被害が拡大…背景にあった獣と共存してきた山間集落の消滅
NEWSポストセブン
姜卓君被告(本人SNSより)。右は現在の靖国神社
《靖国神社にトイレの落書き》日本在住の中国人被告(29)は「処理水放出が許せなかった」と動機語るも…共犯者と「海鮮居酒屋で前夜祭」の“矛盾”
NEWSポストセブン
公選法違反で逮捕された田淵容疑者(左)。右は女性スタッフ
「猫耳のカチューシャはマストで」「ガンガンバズらせようよ」選挙法違反で逮捕の医師らが女性スタッフの前でノリノリで行なっていた“奇行”の数々 「クリニックの前に警察がいる」と慌てふためいて…【半ケツビラ配り】
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
2025年にはデビュー40周年を控える磯野貴理子
《1円玉の小銭持ち歩く磯野貴理子》24歳年下元夫と暮らした「愛の巣」に今もこだわる理由、還暦直前に超高級マンションのローンを完済「いまは仕事もマイペースで幸せです」
NEWSポストセブン
医療機関から出てくるNumber_iの平野紫耀と神宮寺勇太
《走り続けた再デビューの1年》Number_i、仕事の間隙を縫って3人揃って医療機関へメンテナンス 徹底した体調管理のもと大忙しの年末へ
女性セブン
白鵬(右)の引退試合にも登場した甥のムンフイデレ(時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方 弟子のいじめ問題での部屋閉鎖が長引き“期待の甥っ子”ら新弟子候補たちは入門できず宙ぶらりん状態
週刊ポスト
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《真美子さんのサポートも》大谷翔平の新通訳候補に急浮上した“新たな日本人女性”の存在「子育て経験」「犬」「バスケ」の共通点
NEWSポストセブン
自身のInstagramで離婚を発表した菊川怜
《離婚で好感度ダウンは過去のこと》資産400億円実業家と離婚の菊川怜もバラエティーで脚光浴びるのは確実か ママタレが離婚後も活躍する条件は「経済力と学歴」 
NEWSポストセブン