投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が3月12日~3月16日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は伸び悩みか。トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談が5月までに行なわれることになっており、二国間の緊張状態は大幅に緩和されるとの期待が広がっているが、トランプ政権の保護主義的な通商政策に対する市場の警戒感は消えていない。リスク選好的なドル買いがさらに拡大する可能性は低いとみられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)は20-21日開催のFOMCで0.25ポイントの追加利上げに踏み切る公算。13日発表の2月消費者物価指数(CPI)や14日発表の2月小売売上高など主要経済指標が市場予想を大幅に下回る内容でなければ、追加利上げを織り込む形で短期筋などのドル売り・円買いは手控えられるだろう。
ただ、トランプ大統領は複数の輸入品目に制限を設ける保護主義的な通商政策に傾倒しており、引き続き警戒感が市場を覆うことになりそうだ。米政府は鉄鋼とアルミの輸入制限措置の発動を正式に決定し、カナダとメキシコには例外措置を設ける。今後は輸入関税の除外対象(国)は増える可能性があるが、交易条件がある程度悪化することは避けられないとみられており、リスク選好的なドル買い・円売りは当面抑制されることになりそうだ。
【米・2月消費者物価コア指数(コアCPI)】(13日発表予定)
13日発表の2月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+1.8%と予想されており、インフレ率は1月実績と同水準になると予想されている。目安となる2%を引き続き下回ることになりそうだが、インフレ鈍化を示唆する数字ではないことから、ドル売り材料にならないとみられる。
【米・2月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米2月小売売上高は前月比+0.3%と予想されており、1月の-0.3%から改善する見通し。市場予想と一致した場合、10-12月期国内総生産(GDP)確定値の上方修正につながる可能性もあるため、ドル買い材料となりそうだ。
・3月12日-16日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。