認知症を予防するには、どんなものがあるのか。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、いろいろな研究発表から日常生活にも取り入れやすいものを紹介する。
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認知症予防のヒントになる研究がいろいろ発表されている。
ビールのホップの苦み成分であるイソα酸がアルツハイマー型を予防するという研究がある。アルツハイマー型は脳細胞にアミロイドβという老廃物が蓄積し、脳を変性萎縮させることがわかっているが、イソα酸は老廃物を除去する免疫細胞を活性化するといわれている。ただし、ビールの飲みすぎはアルコールによる脳の機能低下が心配になる。ノンアルコールビールを上手に利用するのも方法だ。
脳の慢性炎症を抑えるには活性酸素の害から脳を守る必要がある。野菜の抗酸化物質がいいのだが、血液脳関門を通過するためには、脂溶性の抗酸化物質がいい。イワシやサバなどの魚介類に含まれるコエンザイムQ10は脳に届いてくれる。
ビタミンEもいい。これはアーモンド、ピーナツ、アボカド、あんこうの肝などに含まれている。サケやカニ、サクラエビなどに含まれるアスタキサンチンも脂溶性の抗酸化物質だ。
サンマやイワシ、カツオなど青背魚に豊富に含まれるDHAやEPAは、アミロイドβを取り除く作用があるといわれる。サンマやサバの缶詰は安くておいしくて、脂溶性の抗酸化物質がたくさん含まれている。