前身の『ひらけ!ポンキッキ』(フジテレビ系)を合わせると45年の歴史を持つ『ポンキッキーズ』(BSフジ)が今年3月をもって終了する。『ポンキッキ』だけではなく、今日本では次々と子供向け番組は姿を消している。
『ポンキッキ』と並ぶ長寿番組で『おかあさんといっしょ』(NHK・Eテレ)や『おはスタ』(テレビ東京系)は健在だが、多くの人々が親しんだ『まんが日本昔ばなし』(TBS系)や『世界名作劇場』(フジテレビ系)はすでにその役目を終えている。また“ニチアサ”と呼ばれる、朝7時から各局をまたいでアニメや特撮番組が数珠つなぎとなっている放送枠も縮小されている。上智大学文学部新聞学科の音好宏教授が解説する。
「産業としてのテレビという視点で捉えると、少子化によって子供向けに特化した番組は市場拡大しにくい。特に地上波民放では子供に特化した番組制作は、今後も難しくなってくると思います」
かつて、番組ディレクターを務めた小島豊美さんは、“家族で子供番組を見る”という状況は日本では失われつつあると嘆く。
今でもアニメ専門チャンネル、子供専用チャンネルなど、地上波以外には子供番組は数多く存在する。だが、それは“教育格差”を生むと元教師でITジャーナリストの高橋暁子さんは話す。
「必ずしもすべての家庭が有料放送を視聴できるわけではありません。“見られる人”と“見られない人”に分かれてしまうと学ぶ機会に偏りが生まれてしまいます。やはり学校教育同様、地上波で誰もがお金を払わなくとも見ることができる子供番組をテレビ局には制作してほしいです」
※女性セブン2018年3月22日号