大相撲中継をテレビで見ていると、色とりどりのまわしをつけた力士たちが登場する。これも、番付によってつけられるものが定められている。
関取になると稽古時は白色の帆木綿製の「木綿廻し」、取組時は繻子や緞子といった高級な絹織物が使われた「締め込み」を締める。色は黒、紺、紫色系統と定められていたが、「テレビがカラーになった頃から、オレンジなどのカラフルなものが多くなった」(若手親方)。
「締め込み」は1本100万円以上もする高級品。前垂れの部分に後援会や企業名が刺繍された「化粧廻し」同様、タニマチからのプレゼントが多い。幕下以下の力士は稽古、取組とも黒の木綿廻しを用いる。
廻しの長さは9メートル前後で、4つ折りにして四重から六重に回して使う。廻しの下は何もつけていないので、取組中に外れて落ちた場合は反則負けとなる。
廻しの前に挟んで下げる飾りの「さがり」は、形式的には前を隠すという意味合いがある。関取は「締め込み」の布と同じ糸を布糊で固めて作り、数は17本か19本と決まっている。幕下以下は綿の紐で、数も少なく布糊で固めないのでだらりとしている。さがりがピンとしているのは関取の証明だ。ちなみにさがりの色は十両以上は締め込みと同色でなければならないが、幕下以下は原則自由である。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号