何かと話題になっている大相撲だが、力士の生活ぶりは意外と知られていない。関取には幕下以下の力士が付け人として配属されるが、その役割は何なのか。付け人は、洗濯、入浴の世話、マッサージ、廻しのつけ外しなど、身の回りのすべての世話をしなければならない。
十両で2人、幕内で3~4人(親方や行司にも付け人がつくケースもある)。力士の少ない部屋では同一門の部屋から借りる。ほとんどの部屋ではおかみさんが部屋の雑用を交代でやらせるが、これには理由がある。
「部屋では相撲の稽古だけではなく、礼儀作法をはじめ、廃業しても社会でやっていくための躾をする必要がある」(元力士)
幕下以下、3~4人編成のちゃんこ番もそのひとつ。古参力士が中心となってちゃんこを作る。若い力士は兄弟子と早朝に買い出しの荷物持ちに行って目を肥やし、部屋伝統の味を勉強することで、将来引退や廃業した際、ちゃんこ店経営への道が開けるのだ。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号