力士の代名詞といえば土俵上での塩撒きだが、実は幕下以下には許されていない。力水と塩撒きは十両以上の取組で行なわれる。
「ごく稀だが進行が早すぎる場合、幕下同士の取組でも“塩が入る”といって塩撒きをして時間を調整する場合がある」(元力士)
ちなみに国技館で1日に使用する塩の量は45キロだ。
土俵に上がってから立ち合いまでの制限時間は番付によって変わる。幕内で4分、十両で3分、幕下以下は2分。審判員の時計係が時間を計り、行司と呼出に右手を上げて合図を送る。呼出が力士にタオルを渡すと制限時間いっぱいの意味。力士は最後の塩を撒く。
本場所では午前8時45分の取組開始から午後6時の打ち出し(終了)まで、きっちり取組が進んでいく。途中、物言いや水入りなど何らかの事情で遅れた場合は、仕切り時間を調整しながら打ち出しが午後6時となるようにする。これはNHKの中継時間と無関係でないとも言われている。
幕下以下は1場所7番(8番の場合もある)、十両以上は1場所15番。幕内以上では取組により懸賞が掛けられ、勝った力士が手にすることができる。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号