有名経営者やタレントといったハイスペック男性を狙う「港区女子」たちは、時として“事件”に遭遇する。それは、自分が付き合っている男性に関するニュースが報じられることだ。「不倫している彼氏の妻」の妊娠をニュースで知ってしまった港区女子・ユナは、どうしたか──現役港区女子の吉川リサコ氏が綴る。
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23歳のユナは、ロシア人のハーフ。それだけに色白で、瞳はカラコンでは出せない引き込まれる色だ。女優の波瑠のような見た目で、ムスクの入ったボディクリームが大好き。その独特なユナの匂いと豊かな胸の谷間は、ハイスペを虜にした。
彼女の狙いは単なる金持ちや高収入サラリーマンではない。有名人が好きなミーハー港区女子だ。ある有名な経営者には、ロエベのアマソナのバッグやエルメスのバーキンなどハイブランドの品をいくつも買わせて、海外旅行にも何度も連れて行ってもらった仲である。
ある時は、誰もが知る男性アイドルグループのメンバーと飲み、口説かれて一夜をともにした。たった一晩ともにするだけでも生まれてきた甲斐があると思うレベルの、多くの女性が血圧を上げるアイドルである。
彼女が一時期夢中になっていたのは、これまた有名な経営者のXだった。当時34歳。稲垣吾郎を思わせる目が印象的なイケメン。優しい。マメ。でも妻帯者。しかも妻はタレント。
ユナは、妻の存在を知っていた。
デートは毎週、お台場の会員制リゾートクラブ、ベイコート。スパをして、ご飯を楽しみ、そのままホテルに泊まる。帰りは必ず3万円をお小遣いとして貰う。そんな生活を半年ほどしたあと、「仕事が忙しいから」と会えない日々が続いた。
ユナは興味本位で、彼の妻のブログを見た。これまで見ようとも思わなかったのに。
「ご報告」として、ちょうど会えなくなった時期に子供が誕生していた。不倫だと心得てはいたものの、妊娠中の相手にされていた事実に、複雑な心境になり、ユナは彼から距離を置いた。
しばらくして。ユナは相変わらず港区界隈で有名人と交際していた。しかしXほど楽しく、マメにデートしてくれる男性はいない。そう考えていた矢先、彼からメールが来た。
「ユナ元気してる? 最近思い出して。忘れられなくて。会えないかな?」