動脈硬化は、心筋梗塞や、脳梗塞の発症リスクがある。だが、これまでの血液検査や画像検診では、初期段階の動脈硬化を見つけられないことが多かった。
そこで動脈硬化の進行度合を“見える化”するために開発されたのが、「LOX-index」だ。この検査を導入する東京国際クリニック院長の高橋通医師が話す。
「血液中に含まれるたんぱく質『sLOX-1』と『LAB』の量を測定する検査が『LOX-index』です。国内で約2500人を対象に調査した研究では、これらの値が基準値を超えると10年以内の脳梗塞発症率が約3倍、心筋梗塞発症率は約2倍になることがわかっています」
「LOX-index」は血液検査の一種だ。採血の結果をもとに2次検査や精密検査を行ない、治療や生活改善に役立てる。前出の高橋医師が言う。
「この検査ができる以前は、善玉・悪玉コレステロールの値や生活習慣の問診、画像診断などから、医師の経験をもとに動脈硬化の進行を推測していましたが、LOX-indexなら簡単かつ客観的に進行度合を予測できます」
最近は健康診断や人間ドックのオプションとして受診するケースが増えているという。LOX-indexの測定・解析を行なうNKメディコ代表取締役の富永朋氏がいう。
「1万2000円程度で受けられる医療機関が多い。家系に脳卒中や心筋梗塞患者がいた人に特に受けてほしい検査です」
※週刊ポスト2018年3月23・30日号