4月から子供が新たな学校に通うという方も少なくないだろう。そんな時気になるのは、ママ友など学校でのコミュニケーションだ。
「話す相手、話す場面によって、同じ言葉でも違った意味を持ったり、相手に誤解を与えてしまうことすらある」と語る、著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)などがある吉田裕子先生に適切な対話術はどれか、シチュエーション別に聞いてみた。
「人前で子供を褒めてもらって嬉しいけれど…」
【1】いえいえ、そんなことないんです!
【2】ありがとうございます! 頑張ってるんです。
【3】○○さんに褒めていただけるなんて光栄です。
海外では【2】が主流だと思いますが、日本の謙遜文化では【1】を言いがち。ですが、子供の目の前でいうと子供が傷ついてしまう恐れがあります。正解は【3】。褒め言葉で返し、相手を持ち上げると相対的に自分を下げられますよ。
「うちの子が友達に怪我をさせてしまった!」
【1】子供のこととはいえ、申し訳ございませんでした。
【2】大変なことをしてしまい、子供も深く反省しております。
【3】子供がご迷惑をおかけしました。私の監督不行き届きでした。
我が子のことで謝る場合、親も当事者の1人として責任を痛感している旨を伝えることが重要です。子供だけの問題にするのではなく、自分の親としての指導力不足を詫びましょう。正解は【3】。相手がある程度、謝罪を受け入れてくれたら「よく言って聞かせます」と言い足すのも◎。
「担任の教え方に不満! 先生に意見するには…」
【1】先生、授業のやり方が下手なんじゃないですか。
【2】ゆっくり進めていただけると、ありがたいようです。
【3】もう少し丁寧に教えていただけませんか。
先生にも、教師としてのプライドがあるもの。それをあからさまに傷付ける言い方は避けましょう。本人としては「丁寧に」教えているつもりでしょうから、「ゆっくり」「板書を取り入れて」など具体的なお願いをすると良いでしょう。正解は【2】。
「PTAの会議で強引な意見が。やんわり否定したいとき」
【1】お言葉を返すようで恐縮ですが、○○に関してはどうお考えですか?
【2】確かにそういうご意見もありますねぇ…。
【3】さすがにそのご意見はちょっと違うのではないでしょうか?
「お言葉を返すようで」というのは、実際は反論するつもりはないが、そう聞こえたら申し訳ない、という意味。言いすぎている部分に関して冷静に意見を求め、自説の問題点を自覚できるよう促すと良いでしょう。正解は【1】。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号