平昌五輪のメダリスト・平野歩夢や原大智、そして最年少記録を次々と更新し続ける藤井聡太六段など、日本の顔といっていいほどの活躍を見せる若者たち。「彼らの才能を伸ばしたのは親の力が大きい」と、脳科学者で小児科専門医の加藤俊徳さんは分析する。わが子の才能を開花させた、その秘訣とは?
加藤さんは、平昌五輪での若き選手たちの活躍を見ながら、「子供の才能を伸ばすには、親ができるだけポジティブな思い出を残すことが大切。子育ては、これにつきる」と、確信したという。
来院されるかたの中にも、「うちの子はちっとも話を聞かない」と、怒っているお母さんがいるそうだが、「人の話を聞きなさい!」と、頭ごなしに叱ってしまうのは避けたいもの。
「子供が話を聞かないのは、親が子供の話を聞いていないからなのです。子供は親の姿を見て育ちますから、親が話を聞いている姿を見せていないと、子供はどうやって話を聞けばいいのかわからない。
話を聞く際には、うなずいたり、“それはどういうこと?”などと質問を織り交ぜ、“しっかり話を聞いています”というサインを送ることも大切です。親が自分の話をじっくり聞いてくれると、子供は“この人は自分のことを認めてくれている”と理解する。すると、子供は親をマネして、人の話を聞けるようになるのです」(加藤さん)
人の話を聞けるようになると理解力も上がり、成績も上がるそうだ。子供の成長を写真に撮って、記録しておく親も多いが、この時、アルバム作りがオススメだと加藤さんは言う。
「最近は、スマホやタブレットで写真を管理するサービスが主流ですが、記憶力を刺激するためには、昔ながらのアルバム作りがオススメです。しかも、アルバムの冊数が増えていくにつれ、“これだけ楽しい時間を過ごしたんだ”とひと目で認識できるので、それが幸せの記憶となり、ひいては記憶力向上にもつながります」
アルバムを作ったら、いつでも取り出して見ることができる場所に並べておけば、家族全員が常に記憶を確認できる。これも、脳の刺激に有効だ。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号