春を迎え、歓迎会やお花見など飲み会の席も増える頃。そんな時に気をつけたいのが、お酒に関するトラブルだ。
特に、女性の飲酒トラブルは、男性よりも問題視されやすく、女性が男性と同じことをすると蔑視される風潮も根強くある。酒場や宴席で「女のくせに」と言われた経験がある人も少なくないはずだ。夫婦仲相談所所長の三松真由美さんはこう語る。
「男の浮気は許されるが、女の浮気は罪深いという古い考え方と一緒。女性に対して聖母でいてほしいという男性の押し付けです。男女平等といっている割には、昔から変わらない封建的なところがまだ残っているのです」
とはいえ、お花見や歓送迎会など宴席が増えるこれからの季節、お酒の失敗は避けたいところ。お酒との上手なつきあい方について専門家に聞いた。新潟大学名誉教授・岡田正彦医師が解説する。
「女性は男性に比べて体が小さく、アルコールへの対応力も弱いため、男性と同じ量を飲んではいけません。男性と同じ体重であったとしても、女性は男性より脂肪が多く、体内の水分量が男性より少ないため、アルコールが体に入ったとき、お酒が薄まりにくい」
『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(日経BP社)の著者で、酒ジャーナリストの葉石かおりさんは悪酔いしない飲み方を教えてくれた。
「飲む前に、オリーブオイルをかけた魚介類のカルパッチョや、マヨネーズを使ったポテトサラダなど、油を使った料理を食べておくと、アルコールが小腸に吸収されるのを遅らせることができるため、悪酔いを防げます。
油ものは胃の負担が大きいという人は、乳脂肪分を含むチーズでもいいでしょう。また、飲むお酒の量は純アルコール(お酒に含まれるエタノール量)に換算して1日20g(お酒の種類を問わずグラス2杯)程度、1週間で140gを目安にして、『ほろ酔い程度で盃を置く』ことを目標にしましょう」
お酒の飲み方も大事だが、男女間のトラブル回避には、日頃のコミュニケーションが必要不可欠だと離婚問題に詳しいフラクタル法律事務所の堀井亜生弁護士が言う。辺見えみり(41才)は酔っ払って元夫・松田賢二(46才)に「仕事は飲みの席で取ってくるんだよ!」という暴言を吐いたという。育児がひと段落し飲酒を解禁した途端にこんな暴言を発したことも、夫婦間の亀裂の原因とされている。
「お酒に対する価値観はさまざまです。特にお酒を飲まない人にとっては、トラブルが起きたときに“お酒の席だから”と水に流せないこともあるため、認識の違いが起こりやすい。そのため、日頃からパートナーとよく話し合い、お互いの価値観をすり合わせておくことが必要です。辺見さんのケースも、結婚前からあったお酒や仕事に対する価値観の違いが、婚姻生活を経て露見したと考えられます」
昔から「酒は百薬の長」というが「過ぎたるは及ばざるがごとし」。適量を守りつつ、パートナーと、よい“酒ライフ”を楽しみたい。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号