夫の仕事関係者と会うのが苦手…という方も少なくないだろう。夫の株を下げないような対応とはどんなものなのだろうか?
著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)などがある“国語の先生”吉田裕子先生に適切な対話術について、シチュエーション別に聞いてみた。
「夫の上司にご挨拶! 内助の功を発揮しなきゃ…」
【1】田中がいつもお世話になっております。
【2】ご尊顔を拝し、光栄でございます。
【3】はじめまして、田中の嫁です。
あまり大げさな表現は白々しく聞こえるので、【2】はNG。また、いきなり「妻です」と挨拶するのではなく「お世話になっております」とワンクッション置く方が丁寧。正解は【1】。その後自己紹介をする場合は「妻です」または「家内です」が無難。「嫁です」は夫や姑など他者が妻を指す呼称なので名乗るのは間違い。
「夫の会社での評価を知りたい」
【1】主人は会社でご迷惑をおかけしてませんか。
【2】さぞ皆さんのお世話になっているかと思うのですが、いかがでしょうか。
【3】主人の仕事ぶりはどうですか。
子供の評価を先生に訊くのとはワケが違います。適度に夫のことも立てつつ尋ねると好印象を残せます。【3】は率直すぎて、上司や保護者のよう。【1】はネガティブさが目立ちます。正解は【2】。お世話になっている謝意を伝えつつ尋ねると良いでしょう。
「気に入られた!? 夫の上司のお宅に夫婦でお呼ばれ」
【1】お邪魔してしまってすみません。
【2】本当に素敵なお宅ですね。
【3】お招きにあずかり、光栄です。
招いてくださったのだから、【1】は不適。またつい【2】のように褒めてしまいがちですが、褒めるという行為は、気を付けないと上から目線で評価しているように受け取られます。正解は【3】。誉めるなら中に通されて落ち着いた頃に「こちらは奥様が選ばれたんですか?」とインテリアなど、具体的な部分に注目して褒めるのがコツ。
「『お噂はかねがね…』と伝えたら、『どうせ悪口ばかりでしょう?』と返された」
【1】温かくご指導いただけていると聞いております。
【2】そうですよ、あまりイジメないでくださいね。
【3】いえいえ、そんな滅相もございません。
無難な正解は【1】。冗談めかして言われたときの切り返しですが、【1】で乗り切る方が良いでしょう。少々大げさな【3】が次点。もし、上司と長い付き合いでお茶目なキャラクターが知られているなら【2】で笑いを取る手もありますし、【1】も【3】も大げさに言うと、ユーモアに振ることもできますね。相手との関係次第で使い分けてください。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号