時代の変化の中で日本語は変化していく。そんなことを理解しつつも気になってしまう若者たちの言葉遣いの数々。「今どきの若者は……」なんて言い出せば、嫌な顔をされるのは分かっている。けれど、声を上げて主張せずにはいられない。時代遅れと笑われても構わない──嫌なものは嫌だと声を上げた経済アナリスト・森永卓郎氏(60歳)の熱い主張を聞こう。
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ご飯をおごってあげた学生に「今日のメシはどうだった?」って聞くと、「普通に美味しかったです」って言うんですよ。イラッときますね。「すごく」とか「とても」じゃなくて「普通」って何だよ、誰のお金で食べてるんだよと。
でも、彼らにとっては「普通」が褒め言葉なんですよね。そこにすごくギャップを感じます。我々の世代は「普通」を良い意味の言葉として使ったことはなく、平均レベル程度、最低基準はクリアしているぐらいの否定的な言葉だった。だから「普通」って聞くとイラッとするんです。
彼らにとって「普通」が肯定的に捉えられているのは、現在の若年層が貧困化しているからでしょう。格差が生じ、いつの間にか「普通」に暮らすことが贅沢という時代に変わってきている。普通はもはや「高級」という意味なわけで、だから「普通」が褒め言葉になっている。うーん、やっぱりそんなの嫌ですけどね。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号